内縁と法律婚とではどこが異なりますか。

内縁と法律婚

 内縁とは、婚姻の社会的実体はあるけれども、婚姻届の出されていない男女の関係をいいます。
 一方、法律婚とは、婚姻届を提出した男女の婚姻関係であり、その効果は民法に規定されています。

内縁と法律婚で異ならない点

 内縁の法律効果に関し、民法は規定していませんが、現在では、判例上「婚姻に準ずる関係」として、婚姻と同様の効果を認める点も多いと言えます(準婚理論)。
 具体的には、内縁は、以下のような点につき、婚姻と同様の効果を生じます。
 ① 婚姻費用分担義務
  法律婚の場合には、扶助義務に基づき婚姻費用の分担義務がありますが(民法760条)、内縁の場合にも、民法760条の準用により、婚姻費用の分担義務があると考えられています。
 ➁ 慰謝料
  法律婚の場合には、不貞行為その他により、婚姻関係を破綻させた場合には、一方当事者から他方当事者に対して、慰謝料の請求が認められますが、内縁の場合にも、一方当事者の不貞行為等により、内縁関係が解消されてしまった場合には、慰謝料の請求が認められます。
  また、法律婚において、不貞行為を行った第三者に対して慰謝料請求が認められるのと同様、内縁の場合にも、不貞行為を行った第三者に対して慰謝料請求が認められます。
 ③ 解消時の財産分与
  法律婚の場合には、離婚時に財産分与が認められますが、内縁においても、財産分与が認められます。

内縁と法律婚で異なる点

 一方、婚姻に準ずる関係といっても、法律婚とは異なる点もあります。
 具体的には、以下のような点です。
 ① 氏
  法律婚の場合には、婚姻により夫または妻の氏を称することになりますが(民法750条)、内縁の場合には、従来のままの氏を用いることになります。夫婦同氏を望まず、内縁を選択する例もあるものと思われます。
 ➁ 相続
  法律婚の場合には、配偶者は、常に相続人になり、相続分を取得することができますが(民法890条)、内縁の場合には、相続人にはならず、一方配偶者が死亡した場合、遺言などがない限り、他方配偶者の遺産を取得することはできません。なお、相続税における配偶者の税額軽減も、内縁の場合には利用できません。
 ③ 子の嫡出性
  嫡出子とは、婚姻関係にある男女の間に生まれた子をいいますので(民法772条)、内縁関係の下で生まれた子は嫡出子にはなりません。したがって、内縁関係の下で生まれた子に関しては、夫側は認知を行う必要があります。

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