認知した子がいる場合の婚姻費用・養育費はどのように計算しますか。

認知した子がいる場合の婚姻費用・養育費の計算

 夫婦間以外に子供がおり、一方の配偶者がその子供を認知していることがありえます。
 A(男)とB(女)という夫婦がいる場合に、A(男)にCとの間で子Dがおり、Dを認知したような場合です。
 このような場合、子どもを認知している配偶者(A)は、その子供(D)に対しても扶養義務(民法877条)を負うことになります。
 したがって、夫婦間(AとB)の婚姻費用・養育費においても、認知した子供(D)の生活費を考慮することが必要になり、通常は、婚姻費用や養育費の減額要因となります。
 以下では、婚姻費用の場合と養育費の場合とを分けて、計算方法を検討します。

婚姻費用の場合

 義務者(上記の例だとA)が認知した子(D)を養育している場合、認知した子(D)の生活費指数を修正したうえで、婚姻費用を算出します。
 認知した子(D)の生活費指数は、義務者(A)と認知した子の他方親(C)の基礎収入とで按分して計算します。
 認知した子(D)の生活費指数分、権利者(D)世帯に割り振られる婚姻費用が減ることになります。

 具体的な計算方法は、以下のとおりです。

 ①認知した子の生活費指数=55(又は90)×義務者の基礎収入/(義務者の基礎収入+権利者の基礎収入)
 ②権利者世帯に割り振られる婚姻費用=義務者の基礎収入×(100+夫婦間の子の生活費指数)/(100+夫婦間の子の生活費指数+100+認知した子の生活費指数)+権利者の基礎収入×(100+夫婦間の子の生活費指数)/(100+夫婦間の子の生活費指数+100)
 ③義務者の分担額=権利者世帯に割り振られる婚姻費用-権利者の基礎収入

婚姻費用の計算の具体例

 具体例として、義務者の基礎収入が400万円、権利者の基礎収入が100万円、認知した子の他方親の基礎収入が200万円、夫婦間に15歳未満の子が1人、認知した子が1人いるとします。

 この場合、以下のとおりとなります。

 ①認知した子の生活費指数=55×400万/(400万+200万)=37
 ➁権利者世帯に割り振られる婚姻費用=400万×(100+55)/(100+55+100+37)+100万×(100+55)/(100+55+100)=272万
 ③義務者の分担額=272万-100万=172万(年額)

養育費の場合

 義務者(A)が認知した子(D)を養育している場合で、夫婦間の子は権利者が養育しているという場合には、認知した子の生活費指数を修正したうえで、養育費を算出します。
 この場合も認知した子(D)の生活費指数は、義務者(A)と認知した子の他方親(C)の基礎収入とで按分して計算します。
 認知した子(D)の生活費指数分、養育費が減ることになります。

 具体的な計算方法は、以下のとおりです。

 ①認知した子の生活費指数=55(又は90)×義務者の基礎収入/(義務者の基礎収入+権利者の基礎収入)
 ➁義務者の分担額=義務者の基礎収入×夫婦間の子の生活費指数/(100+夫婦間の子の生活費指数+認知した子の生活費指数)×権利者の基礎収入/(義務者の基礎収入+権利者の基礎収入)

養育費の計算の具体例

 具体例として、義務者の基礎収入が400万円、権利者の基礎収入が100万円、認知した子の他方親の基礎収入が200万円、夫婦間に15歳未満の子が1人、認知した子が1人いるとします。

 この場合、以下のとおりとなります。
 ①認知した子の生活費指数=55×400万/(400万+200万)=37
 ➁義務者の分担額=400万×55/(100+55+37)×400万/(400万+100万)=92万(年額)

義務者が認知した子を養育していない場合

 義務者が認知した子を養育していない場合には、婚姻費用・養育費いずれについても、認知した子の生活費指数などを考慮する必要はなく、減額などはされないものと思われます。

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