これまで未払であった養育費を今から請求することはできますか。

過去の未払の養育費を遡って請求することの可否

過去の未払の養育費を遡って請求することができるかという問題については、具体的な例としては、子の認知に伴って、子の出生時に遡って養育費の請求をすることができるかというケースがあります。また、養育費を請求することについて、手間や費用、時間がかかるなどとしてあえて請求していなかったものの、後になってからやはり過去の未払分を支払ってもらいたいとして請求するケースもあります。
扶養義務が親子という関係から当然に発生するものであることからすると、権利者側の要扶養状態と義務者側の扶養能力が認められれば、過去に遡って請求することも可能と考えられます。
 もっとも、養育費が、子の現在の生活費のためとするものであることからすると、過去の養育費を遡って請求することは相当でないともいえます。また、義務者が過去数年分にわたる多額の未払分をまとめて請求されることで義務者が不測の負担を被ることも考慮する必要があります。

遡及を認める場合の始期

 養育費の請求の遡及を認める場合、いつを始期とするかという問題があります。具体的な始期としては、別居時、離婚時、支払停止時、請求時とすることが考えられます。
 認知の事例では、子の出生時に遡って未払養育費の支払を命じた例があります(大阪高決平15.5.19家月57.8.86)。
 もっとも、義務者の負担や予測可能性を配慮するとともに、基準として明確であることから、請求時を支払の始期とする例も多くみられます。
 また、請求時の認定も、単に口頭やメール・手紙等で請求したという時ではなく、調停や審判の申立時とする例が多いとされています。
 実際の認定においては、事案に応じて当事者間の公平に配慮した判断がなされることになります。

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