弁護士
本橋 美智子

連れ子養子の親権者は誰か?

 連れ子養子の親権者

 離婚後に親権者となった父母の一方が再婚したうえ、その再婚相手と子が養子縁組をすることは、珍しくはありません。
 A男と離婚して、D君の親権者となった母(B子)が再婚して、その再婚相手の夫(C男)とD君が養子縁組する事案が典型的です。
 このような場合に、D君の親権者が誰になるかについて、令和8年4月から施行される新民法818条3項は、次のように定めました。
 「子が養子であるときは、次に掲げる者を親権者とする。
  1 養親
  2 子の父母であって、前号に掲げる養親の配偶者であるもの」
 この規定からわかるように、連れ子養子D君の親権者は、養親のC男と母でC男の妻であるB子になります。
 C君の実父であるA男は親権者ではなくなるのです。

 離婚後共同親権になった場合

 新民法に基づいて、A男とB子が離婚した際に、D君をA男とB子の共同親権とした場合にはどうなるでしょうか。
 15歳未満の子を養子とする縁組をするには、親権者の代諾が必要です。
 離婚後に父母の共同親権となった場合には、父母双方が共同して養子縁組の代諾をする必要があります。
 そして、これをめぐって父母間に争いが生じた場合には、父母のいずれか一方を子の養子縁組の代諾に係る親権行使者と指定することを、家庭裁判所に申し立てることになります。
 この場合には、「子の利益のため特に必要な場合」に家庭裁判所が子の養子縁組の代諾に係る親権行使者を指定することになります。
 D君の養子縁組について、A男とB子の間に争いがある場合には、B子が家庭裁判所にB子を養子縁組の代諾に係る親権行使者に指定することの申立てをして、家庭裁判所が養子縁組がD君の利益のために特に必要と判断した場合には、B子がこの親権行使者に指定されます。
 B子はこれに基づき養子縁組の代諾をして、C男とD君との養子縁組をすることになるのです。
 「子の利益のため特に必要な場合」とは、別居親が親権者としての権利義務を失うことを考慮してもなお養子縁組を成立させる必要があることを要すると解されていますので、かなりハードルは高いことになります。

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