離婚原因のうち、「婚姻を継続し難い重大な事由」とはなんですか

「婚姻を継続し難い重大な事由」とは

「婚姻を継続し難い重大な事由」とは、婚姻共同生活が破たんし、その修復が著しく困難な自由をいいます。
婚姻当事者双方が婚姻を継続する意思がないか、婚姻共同生活の修復が著しく困難である場合には、「婚姻を継続し難い重大な事由」があるとされます。

具体例

「婚姻を継続し難い重大な事由」として、裁判例で問題になったのは、以下のようなものです。
①虐待・暴力
②怠惰、勤労意欲の欠如
③性格の不一致
 多少の性格の不一致では、直ちに離婚原因として認定されることはありませんが、別居の有無や修復の可能性、未成熟子の有無などにより、「破たん」していると判断されることもあります。
④親族との不和
 単なる親族との不和では、直ちに離婚原因として認定されることはありませんが、配偶者の一方がその親族に加担するなどして、夫婦間の不和に発展したりする場合には、「破たん」していると判断されることもあります。
⑤宗教活動
 通常の宗教活動が、離婚原因として認定されることはありませんが、夫婦の一方が宗教活動に過度に専念して、夫婦の共同生活ができないような場合には、「破たん」していると判断されることもあります。

規範的要件事実

「破たん」というのは、規範的要件事実といわれ、総合的な評価として決められるものです。
したがって、上記のような類型はあるものの、実際には、双方の離婚に対する意思、別居の有無や期間、婚姻期間、不和の原因、修復の可能性、未成熟子の有無や年齢、子との関係等を総合的に考慮して、「破たん」しているか否かが判断されます。
どの程度の事実があれば、「破たん」したといえるかは、個別の事情によるところですが、最近では比較的緩やかに認定されるといわれています。

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